創立50周年を迎え社名変更
今回紹介する銘柄は、世界No.1の総合モーターメーカー「ニデック」です!
“ニデックってどこ?” と聞き慣れない企業名だなと思った方も少なくないかもしれません。
2023年4月1日、日本電産株式会社が「ニデック株式会社」に社名変更しました。日本電産は創立50周年を迎えるにあたり、社名を刷新したのです。
そこで今回は、これから生まれ変わろうとしている “ニデック” について迫りたいと思います。
世界トップシェア
ニデックは総合モーターメーカーとして、小さいモノだと2mm、大きいモノだと身長の3倍になるものまで、大小さまざまなモーターを製造しています。
それらのモーターは、身の回りにある「回るもの、動くもの」全てに使われていると言っても過言ではありません。
パソコン、スマホ、冷蔵庫、洗濯機、車、工業用ロボット、風力発電など、ありとあらゆるものにニデックのモーターが搭載されているんです。
そして、各分野においてニデックのモーターはトップシェアを誇っています。
売上高2兆円を超える
ニデックはこれらの技術を活かして、2025年度に売上高4兆円、2030年度は10兆円を達成するという長期目標を掲げています。先日発表された決算では、初めて売上高が2兆円を超え、順調に売上を伸ばし続けています。利益は減益しましたが先を見据えての先行投資が起因したものと考えられている為、長期目標に向かっては計画通り進んでいると見受けられます。
今後の成長分野
これからさらに売上の伸長に貢献する分野として、「車載」と「家電・商用・産業用」という領域にフォーカスを当てています。この2分野は過去20年で大きく成長しており、今後も伸びていくことが予想されます。
特に車載においては、EVシフトの波が追い風となって、EV用モーターのシェアを順次拡大しています。近い将来、世界中の自動車メーカーがニデックのEVモーターに頼らざるを得ない状況が来ることを狙っているのです。過去にも同様の戦略で、パソコン内のHDD用モーターのシェアを獲得しました。
M&A成功の秘訣
また、ニデックは企業成長の戦略にM&Aを積極的に活用しています。2023年5月現在では、国内外を問わず70社の買収に成功しています。
ニデックのM&Aは、「時間を買う」という考え方を基に、技術やノウハウを育てあげるために要する時間の短縮に役立っています。
大切にしているポイントが3つあり、1つ目は、適正な価格で買収すること。2つ目は、買収後の企業経営に注力すること。3つ目は、相乗効果のある案件を選ぶこと。
数々のM&Aを成功させている裏には、自社で培ったこれらの秘訣があるそうです。
創業50周年を迎えて
これまで“日本電産”のモーターは縁の下で影を潜めていたのかもしれません。