【コラム】夏休み、旅に出ずとも旅気分を味わう方法
自称「旅人」の、いつもどこかの国を旅している友人がいる。
職業は大学の准教授。時間は比較的自由に融通つけられるらしく、気ままに旅している自由人だ。
コロナ中は旅が出来なくてストレスMAXだったらしいが、去年後半ごろから旅モードを再開している。
彼女がどんなところでどんな体験をしているのかが、自称「出不精」の私にとってはいつも楽しみ。
そんな友人が、イランに行ってきた、とお土産を持ってきてくれた。
「イラン、って、今、行っても大丈夫なんだっけ?」
イランとイラクの違いが、いまいちあやふやな知識しかない私だが、
なんとなく、中東の日頃馴染みがない国は、危ないのではないか、と思ってしまう。
彼女曰く、
「ツアーとかがないので、普通の人は気軽に行くにはちょっと面倒なところもあるけれど、行ってみたら、食べ物は美味しいし、悪い人はいないし、都会も田舎もとても居心地よかった。とても素敵な国だった。」
と、イランを大絶賛!
イラン国内ではデジタル化が進んでいて、旅行者も最初にカードを渡されてそのカードにチャージしておくことで、イラン国内はカード1枚ですべて決済できるようになっているんだそうだ。
一応、現金(紙幣)もあるのだが、それはそのカードにチャージするときに使うだけ。
日本のマイナンバーカード普及がもたついている状況と比べると、世界各国はデジタル化ではすでに日本のはるか先を行っているようだ。
屋台や露店商でも使える万能決済カードなのだが、友人が気になったのは暗証番号。
決済の際に、カードを店舗の人に渡すと、必ず、
「暗証番号は?」
と聞かれるという。 暗証番号を口頭で伝えると、それをお店の人が入力して、それで決済が完了する仕組み。
万能カードの残高や利用履歴は、ちゃんとWebでリアルタイムに確認できて、不正も全くないしすべて正確に決済されているので安心なのだが、どうにも、
「暗証番号を口頭でその場で伝える」
ことに違和感を感じた、という。
確かに、私も、店の人に暗証番号を伝えることにはちょっと抵抗を感じると思う。
そこで、ある店で、「暗証番号は?」と聞かれた時に、
「自分で入力するので、端末貸してほしい。」
と言ったのだそうだ。
そして、その決済端末を借りて入力しようとした時に、
なぜ、店の人に暗証番号を伝えないといけなのか、の理由が判明。
それは・・・
決済端末のキーの文字が、全部「アラビア語」表記だった。
だから、どれを押すとどの数字になるのかがチンプンカンプン。
友人もその端末を見た瞬間、あきらめて、暗証番号を伝えて店の人に入力してもらったという。
世界にはいろいろな国がある。
そして、その国その国のいろいろな事情や歴史もある。
まだまだ、知らないことがいっぱいある、だから、面白い。
私は、「旅人」の友人の話を聞くことで、自分がイランの露店で買い物しているようなそんな気分になれた。
旅の楽しみ方は、ひとそれぞれ。
次回の友人の旅ばなしが、今から待ち遠しい。