エアコン業界の革新
今回は、空気で答えを出す会社「ダイキン工業」について紹介していきます!
「初」を生み出すイノベーション
1924年、大阪で小さな化学工業製品の製造会社として誕生したダイキン工業は、今や世界をリードするエアコンメーカーへと成長を遂げました。
「空気を制御し、人々の快適な生活を支える」というビジョンは、ダイキンが世界初の商用用途のフロン冷媒を開発し、その後も業界をリードする多くのイノベーションを生み出す原動力となりました。
ダイキンは、エアコン業界における多くの「初」を生み出しました。例えば、世界初のスイング圧縮機を搭載したエアコンや、省エネルギーを実現するインバータ技術の開発などです。これらの技術は、エアコンが単なる「涼しさを提供する装置」から、「エネルギーを効率的に使用し、快適な室内環境を作り出すスマートデバイス」へと進化するきっかけを作りました。
また、環境に優しい製品開発にも力を入れています。フロンガスの代替となる冷媒の開発や、リサイクル可能な材料の使用、製造過程でのCO2排出量の削減など、地球環境に配慮した製品作りを行っています。これらの取り組みは、企業の社会的責任を果たすとともに、持続可能な社会の実現に貢献しています。
○○の空気を作り出す
現在では、最新の技術を駆使して様々な“空気”を作り出しています。ダイキンが研究している空気をいくつか紹介していきましょう。
- 運動効率が高まる空気
アスリートが高地で行うトレーニングの原理に着目し、空気中の酸素と窒素を分離して酸素濃度を調整する低酸素システムを開発しました。このシステムにより、短時間のトレーニングでも高い効果が得られ、生活習慣病の予防、ダイエット、美容・アンチエイジングにも効果が期待できます。この低酸素システムは、忙しい現代人の健康と充実した生活をサポートする革新的な技術です。 - よく眠れる空気
睡眠サイクルを心拍数、呼吸、体の動き、脳波を通じて把握し、睡眠中の空気の温度や湿度を最適にコントロールします。入眠時には体温が下がらないように温度を調整し、深い睡眠を促進します。明け方にはさわやかな空気で目覚めを快適にし、眠気が残りにくい起床をサポートします。 - 野菜や果物を遠くまで運べる空気
野菜や果物が収穫後も続ける呼吸プロセスをコントロールすることに着目しています。コンテナ内の温度を下げ、酸素と二酸化炭素の濃度を調整することで、野菜や果物の熟成と老化を遅らせ、鮮度を長く保つことが可能になります。この結果、野菜や果物の日持ち期間が1.5~2倍に延び、例えばペルーからインドまで50日間鮮度を保った状態でアボカドを運ぶことができるようになりました。この技術は、世界中の新鮮な食材を楽しむことを可能にするだけでなく、食品ロスの削減にも貢献しています。
このほかにも、集中力を上げる空気、アレルギーになりにくい空気、肌に良い空気など、様々な空気を作り出す研究が進んでいます。
一世紀、そしてこれから
ダイキン工業は、創業から一世紀近くにわたり、革新的な技術と環境への深い配慮、そして人々の健康と快適性を追求する製品を通じて、世界のエアコン市場に大きな影響を与えてきました。
これからもダイキンが、持続可能な社会の実現と、人々の生活の質の向上に貢献していくことに期待したいと思います。