今回は、無印良品やMUJIブランドを展開するサステナブルなものづくり企業「良品計画」について紹介していきます!
MUJIブランド誕生のあゆみ
良品計画といえば無印良品が真っ先に頭に浮かんできます。
1970年代、多くの量販店がプライベートブランドの開発を進めた中、1977年に西友が「SEIYU LINE」というPB商品群を充実させました。その後1980年に、このSEIYU LINEをベースに誕生したブランドこそ「無印良品」です!
無印良品は西友をはじめとする複数の店舗で販売され、1983年には青山に最初の専門店を開店しました。当時は「わけあって、安い。」というコンセプトで、西友の子会社として1989年に株式会社良品計画が設立されました。1992年には、休眠状態にあった魚力が良品計画を合併し、社名を変更。バブル崩壊後も成長を続け、セゾングループ外の店舗にも商品を供給するようになりました。
2001年から2003年にかけて、ディスカウントストアの台頭による業績悪化を受け、良品計画の新社長松井忠三は不採算店の閉鎖や経費削減、組織改革などを断行しました。また、商品の質を維持しつつ価格を下げるため、素材見直しや生産工程の無駄削減、包装の簡素化などを実施し、商品をシンプルで機能的にしました。
これらの改革により業績は回復し、2015年には過去最高の営業利益を記録しました。セゾングループ解体後は、ファミリーマートと資本提携を行いましたが、2019年にはファミリーマートが無印良品の取扱いを終了し、良品計画も保有株を売却しました。また、ローソンでの実験販売を開始し、国内外で「MUJI」ブランドを使用しています。現在はカフェやキャンプ場の経営も行っています。
無印良品が長年愛される3原則
無印良品は、1980年のブランド創生から現在に至るまで、環境と社会に配慮したものづくりの基本原則を忠実に守っています。
その核には、①素材の選択、②工程の点検、③包装の簡略化という3つの原則が存在しています。
①素材の選択
無印良品は、製品の品質を保持しつつコストを抑えるため、通常見過ごされがちな素材を積極的に活用しています。例えば、視覚的な理由で選別された素材や、業務用素材、旬の原材料などを使用し、低価格でありながらも高品質な製品を提供することに注力しています。
②工程の点検
製品製造のプロセスは、無駄を省くことに重点を置き、徹底的に見直されています。これにより、規格外のサイズや形状で通常は廃棄される素材も、有効に活用されています。このプロセスは、無印良品がコスト削減を実現する重要な要素であり、消費者により手頃な価格で製品を提供する基盤となっています。
③包装の簡略化
無印良品の製品包装は、シンプルで過剰でないものに限定されています。製品の成り立ちを説明する最小限のパッケージやタグが使用されており、地球の資源を大切にし、廃棄物の減少に貢献しています。
これらの原則は、無印良品のものづくりの基盤であり、消費者に対して必要なものを必要な形で提供することを目指しています。環境と社会に配慮した、持続可能なアプローチは、無印良品の製品が長年にわたり愛される理由の一つです。
持続可能で質の高い商品を追求
良品計画は、環境と社会に配慮したものづくりを通じて、持続可能で質の高い商品を提供し続けています。無駄を削減し機能性を追求するその哲学は、消費者からの支持を集めています。
これからも、社会への貢献と進化する姿勢に期待したいです。