「24時間戦えますか」、はアウトかセーフか?
「この作品には、不適切な台詞や喫煙シーンが含まれていますが、時代による言語表現や文化・風俗の変遷を描く本ドラマの特性に鑑み、1986年当時の表現をあえて使用して放送します」
というテロップから始まるドラマ。
「不適切にもほどがある!」
思わず、
「これ、使えるわ!」
って思った!
なにが使えるかって、とりあえず最初に謝ってしまう、という秀逸な作戦。
「私はこれから不適切な事を言いますが、それはこういう理由なんで確信犯ですよ」
って最初からお断りを入れておく作戦だ。
最近は、コンプライアンスだなんだと、昭和の時代を生き抜いてきた我々には、生きにくい時代なのだが、この作戦はいろいろな場面で結構使えるかもしれない。(まあ、こうは言っても、社内の怖いコンプライアンス担当からは、「そんなの、結局、NGです!」って言われるんでしょうけどね。結局のところ…)
ドラマの中では清々しく、令和では一発アウトなセリフが飛び交う。
「働き方って、ガムシャラと馬車馬以外にあるのかね」
「がんばれって言われて会社休んだ部下が同情されてさ、がんばれって言った上司が責められるってなんか間違ってないかい?」
「なんだよ。寄り添うって、ムツゴロウかよ。そんなんだから時給上がんねえし、景気悪いんじゃねーの?」
これがTVで放送されても、私は令和の時代にこれを言ってはいけない、ってことを知っている。それくらいの分別はあるし、理解もしている。
金融の世界では、商品説明や購入の段階で、とてつもないヘッジ文言を読まされる(実際、ちゃんと全部読んでいる人が居るかどうかは不明)
「**には元本保証および利回り保証のいずれもなく、元本割れが生じるリスクがあります。
ご購入の際には、以下の内容および各商品の「目論見書」などをご確認のうえ、ご自身で投資判断を行っていただきますようお願いいたします。」
お断りテロップを出して見せたんだから、それでいいじゃん作戦、だ。
大切な事は、最初にしっかりと説明し同時に相手も理解して伝わったかどうか。一方的に説明しただけとか、見せておけばそれで相手も理解したこととする、というような対応が後になってトラブルにもつながる。
金融商品において、最後は自分で判断しなくてはいけない。そのためには、売る方だけでなく、私たちも基本的なリテラシーを身に付ける必要がある。
ここが日本はすっぽり抜けている事が問題の本質のように思う。お断りテロップの有り無しの問題ではない。
トランプさんも、イーロンマスクさんも、コンプライアンス的に結構危ない人(?)みたいな感じがするけれども、でも、そんな飛びぬけた人材が出て来ること自体が、アメリカの活気と勢いと、そしてなにより、自信の表れのような気がする。
アメリカの人は、リスク許容度が日本人の何倍もあるんだろうなあ。だから、アメリカでは中途半端なお断りテロップなんて必要ないのだろう、きっと。
そういえば、若い会員の皆さんにはウソ~~と言われるかもしれないが、昭和の有名なコマーシャルで、
「24時間戦えますか?」(栄養ドリンクCM:リゲイン)
ってのがあった。
今の時代では考えられないCM。なつかし。