先日、中国北京出身のご夫婦と食事する機会があった。
ご夫婦は、来日して30年以上。既に日本に帰化もされている。
だから、「中国人」というよりは「日本人」の私たちとも考え方は近いお二人だ。
そのご夫婦が、コロナ以降はじめて北京に里帰りした時の話を聞いた。
ご親戚はみんな北京に住んでいて、そこでの生活がとても豊かになっていることに驚いたそうだ。
たとえば、子供に与えるおもちゃなども、欲しいものはすべて買って与えているとか。家を持っている家庭が多いので、広いとは言えないものの、家賃を払わない分使えるお金が圧倒的に多く、消費意欲も高いんだそうだ。
中国のニュースを日本で聞くと、不動産バブルがはじけたとか、経済成長に陰りが、とか、どちらかというとネガティブなニュースが多いが、実際には北京のような大都市の人々の生活水準は相当良くなっているようだ。ご夫婦曰く、
「なんなら、今、低賃金下で働いている日本人の若者よりも、ずっとリッチな生活をしているように見えた」
世界の様々な国の中で、GDPとかいろいろな経済指標は公開されているが、そこに住む人達がどんな生活をしているのか、どんな様子なのか、は、実際にそこに行ってみないと分からない。庶民感覚としては、経済指標が上向いたかどうかよりも、
「生活が楽になっているのか、将来に期待が持てるのかどうなのか」
がとても気になる。
今週、日銀が金利を上げると発表した。
これもまた、
「で?生活はどう変わるの?」
が気になるところ。多分、普通預金にやっと利息が付くようになるのかなあ、住宅ローンの金利が上がらないことを願うばかり…、程度が庶民生活に近い部分の影響なのだろう。
また、日経平均が、過去最高を更新して、
「はて、またバブル到来か?」
と思うかもしれないけれども、実際には金利はまだまだ低水準だし、過去のバブルとは今は全く違う。だから、バブルではない。そうであれば安心だが、でも、私たちの生活へのこの株高の恩恵ってなんなのだろう・・・と考えてしまう。
先が見通しにくい中で、将来きっともっと良い生活ができる、充実した人生を送ることができる社会がやってくる、と思える確固たる「なにか」を掴みたい。それが、今が多少苦しくたって頑張れる拠り所にもなる。日本人の多くは、そう思っているような気がしています。最後は、
「結局、自分でなんとかするしかないのか」
と思う若者も多いのかな、と思う。
ちなみに、このご夫婦。北京を離れる時に、空港に見送りに来てくれた親戚約6人にスタバでご馳走した時に、珈琲(ラテも含む)だけで1万円以上したんだそうだ。
中国では、珈琲を飲む(特に、スタバのような欧米系の店で)というと、とてもとても贅沢な嗜好なのだそうだが、それでも、スタバは大繁盛なんだそうだ。
日本人の当たり前の感覚が海外の当たり前の感覚とズレて行くことは、それはそれで良いのかなあ…
海外から日本に来るインバウンドのお客様だけが幸せになるのではなく、日本に住む私たちも幸せになれるような社会にしていきたい、ですね。