コーンインダストリーメーカーとして業界をけん引する「日本食品化工株式会社」(2892)をご紹介!

左から_小川準平様(経営企画課)、高口均様(研究二課)、國枝佳昌様(総務課)

食材の持つ無限の可能性を追求することで、

“Well-being”で満ちあふれた世界を目指す企業「日本食品化工株式会社」について紹介していきます!

 

日本食品化工株式会社 経営企画室 経営企画課 小川様、総務人事部 総務課 國枝様、研究所 研究二課 高口様にお話を伺いました。

目次

とうもろこし由来の製品で業界を牽引する
日本食品化工株式会社の沿革

STOCKPOINT(以下SP):日本食品化工株式会社とはどんな会社ですか?

 

日本食品化工株式会社 経営企画室 経営企画課 小川様(以下小川様):とうもろこしを原料として、様々な用途で利用される「でん粉、糖化品」等を製造販売している会社です。

 

SP:様々な用途で利用される素材として、「でん粉・糖化品」を作って提供されているのですね。そんな御社の沿革について教えてください。

 

小川様:1948年にとうもろこしから「湿式法」という方法ででん粉を製造する日本で初めての会社として設立し、愛知県半田市の工場で操業を開始しました。1960年代には、高度成長期ということもあり、でん粉需要も高まる中で、静岡県富士市に富士工場を新設しました。富士市には製紙工場が多く、製紙の原料となるでん粉製品を提供するという目的もありました。


1970年代には、アメリカからの穀物輸入も増える中で、新たに岡山県に水島工場を作り、東西2拠点での製造体制を整えて今現在に至っています

半田工場(1949年)

業界を牽引する商品力

SP: 具体的にどのような製品を作られていますか?

 

小川様:主にでん粉・糖化品・ファインケミカル・副製品 の4カテゴリーに分けられます。

 

まず最初にでん粉とは、用途に応じた高品質の加工でん粉の製造開発です。例えば新聞紙など紙製品、ビール・パン・菓子等飲食品向け製品、化粧品や医療分野など多様な用途に提供されています。

 

 糖化品は、コーンスターチを酵素で加水分解することで製造する製品になります。使用する酵素により、加水分解の程度(重合度)を調整したり、結合様式を変えたりすることで様々な糖を製造して製品化しています。

 

ファインケミカルの分野では、輸液用の糖質といった医薬品の他、化粧品、農薬などにも利用される製品を取り扱っています。

 

最後に副製品ですが、とうもろこしからコーンスターチを作る過程で分離されるフィード(外皮)、ミール(たんぱく)やオイル(胚芽)などを、家畜用の飼料や、食用の油として製品化しています。

商品の活用例

SP:食品だけでなく、医療分野や工業用製品向けなど、様々なシーンで御社の製品は使われていますね。中でも、特に御社が注力している領域はありますか?

 

小川様:今、当社が一番注力している領域は

 食の高度化・多様化

 未病

 炭素循環

に貢献する3つの領域です。

SP: 既に商品化されているものはありますか?

 

研究所 研究二課 高口様(以下高口様):スタークロス70PPi」があります。でん粉をプラスチックの代替素材として使えるようにしたもので、でん粉を70%含有し、石油由来樹脂の使用量を削減することが可能です。 スタークロスを使うことで、プラスチック削減にもCO2削減にも貢献できる製品になっています。

 

環境に対する意識が高まる中、バイオマス素材としての競合製品は多いですが、「スタークロス70PPi」は性能面や価格面の優位性があります。今は雑貨や化粧品・食品系向けへの最終テスト段階ですが、市場におけるニーズはかなり高いと考えています。

スタークロス成形物

また、みなさんの身近なものでは国内製造を特徴とする水溶性食物繊維や「サクミ」を提供するタピオカ加工でん粉の開発にも成功しました。

SP: 「サクミ」とは??

 

高口様:スーパーで売っているお惣菜などで用いられることが多く、例えば唐揚げの「サクサク感」を「サクミ」と呼びます。揚げ物の表面に使用すると、冷めてもサクサクした食感が持続します。

SP: かなり需要がありそうですね。

 

高口様:ご存じの通り、コンビニエンスストアやスーパーでの惣菜販売が増えている中で、食感を良くすることで長時間おいしさを保つため食品ロスにもつながりますし、需要は増えています。

SP:私たちもお惣菜にはいつもお世話になっていますが、あのおいしさに一役買っている、というわけですね。いつもありがとうございます。

 

 環境に配慮した製品開発にも携わることができる素晴らしい取組ですね。

そういった御社の「強み」について教えてください。

唐揚げの「サクミ」を提供

お客様のニーズと信頼にお応えする研究開発力

小川様:大きく3つあります。

 

1つ目はとうもろこしを素材とし、食品・工業製品・医薬品など、生活必需品としてささえる素材を提供している点です。「素材」はあって当たり前と考えられがちですが、生活の中の幅広い分野に需要があります。

 

2つ目は、日本の東西に工場を持っていることで、製品を安定的に提供できる点です。

 

3つ目は、幅広いお客様のさまざまなニーズにこたえる事ができる研究開発力がある点だと考えています。

SP:たくさんの強みをお持ちですが、どのような中長期経営計画をお持ちですか?

 

小川様:まずは中期経営計画の根幹になる、当社の企業理念についてご紹介します。

 

当社の企業理念はこちらです。

  でん粉・糖の事業を通じて、未来を切り拓き、知恵を尽くしてたくましく成長する。

  優れた「ものづくり」と「サービス」を通じてお客様に信頼され、社会に貢献する。

  個を尊重し、働きがいと夢を持てる誠実な企業であり続ける。

社会が発展するにつれ、生活者の価値観やライフスタイルの多様化が進んでいると考えています。そのような社会の変化の中、多岐に渡る需要に応じたモノ作りやサービスを提供することで、生活必需品素材を提供する会社とし、生活者のWell-beingに貢献できる企業となりたい、という強い思いがあります。

 

そのためには人材がなによりも大切と考え、会社と社員が共に成長する会社でありたい、という思いがこの企業理念には込められています。

 

現在は人事的な施策の実施や社員がモチベーションを高くして働けるような環境を整えることなど制度面から取り組んでいます。

SP:海外戦略はどのように進んでいますか?

 

小川様:海外戦略は、現在タイにおいて、加工でん粉を扱う事業、特にタピオカでん粉を主力とする事業を行っており、先ほどお話しした「サクミ」を出す加工でん粉もタイで製造しているものです。その販路としては日本以外に中国をはじめ東南アジア、そして欧米にも展開を進めています。現在の海外売上比率はそれほど大きいものではありませんが、伸びしろがある市場であると考えています。

AMSCO(Asia Modified Starch Co., Ltd.)

前年度の好業績の背景

SP:御社の業績についてもお聞かせください。

小川様:ひとつは、製品価格の適正化の取り組みが成果をあげていること、もうひとつは、コロナ禍明けで、人流が回復し、消費も活発化したことで当社製品への需要も増えたということが挙げられます。

SP:売上と利益の拡大について理解しました。その上で、少しキャッシュフローが落ちているようにお見受けしましたが、御社としてはどのようにご覧になりますか?

 

小川様:売上はここ2年ほど特に大きく伸びていますが、穀物価格など原料価格が上がったことにより、製品に価格転嫁をしています。結果として今は売掛債権・棚卸資産がやや増えているところが、キャッシュフローが増えていない主な原因と考えています。

テクスターチ

日本食品化工の株主向け施策

SP:個人株主様に対してどのようなスタンスで居られますか?

 

総務人事部 総務課 國枝様(以下國枝様):個人株主様に対しては、当社の経営方針など魅力を理解して頂いた上で、株主になって頂くこと、個人株主が増えることはとてもうれしいことだと考えています。今は、特別に個人株主様向けの施策を当社独自で実施はしていませんが、安定して利益を上げて配当をする、という基本に真摯に取り組んでいます。

SP:御社は配当利回りがとても高い企業ですので、個人株主にとっても魅力的な会社ですよね。

 

國枝様:はい、出来る限り利益を株主様へも還元したいと思って取り組んでいます。

SP:個人株主様向けにメッセージをお願いします。

 

國枝様:当社は、「多様なWell-beingのために」を合言葉に、素材の提供を通じて、生活の中での様々なシーンを彩る企業として、今後も貢献していきたいと考えています。例えば、今人気の低アルコール・ノンアルコール飲料でも、アルコール感や「キレ」を感じることができるような製品設計に役立つオリゴ糖の提供など、様々なニーズに対応できる素材を開発して提供していきます。

 

そして、素材メーカーとして、幅広い分野に使われているからこそ、健康やサステナビリティを意識した製品を今後も提供していきたいと考えています。

本社組織の5人に1人が研究員。素材の持つ可能性を求めて、顧客ニーズに応える研究開発を続ける日本食品化工から目が離せません!

ライター:Ogama Yuka

14件のフィードバック

  1. とても、素晴らしいと、思います。
    今後とも、良い物を、開発して下さい❗️
    私は、料理は、します。
    色々為になる、事、有り難う御座いました。❗
    これからも、良い商品を、開発して、頑張って下さい‼️

  2. この企業は、初めて知りました。

    唐揚げ粉が売られているのは知っていますが、、、その研究、商品開発をしている企業があるなのですね。

  3. はじめて「サクミ」という表現を知りました。たしかに美味しいから揚げはサクッとしとしている。この会社PR方法に改善の余地がありますね。

  4. 「水溶性食物繊維や『サクミ』を提供するタピオカ加工でん粉の開発にも成功しました。」と言う記述がとても興味深かったです。既成の概念にとらわれることなく、食文化や健康に貢献しようとする社風が素晴らしいです。

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