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仮設機材のプラットフォーマー「株式会社タカミヤ」(2445)をご紹介!

今回は、「愛」という理念を原点に、“トランスフォーム”を経営ビジョンに掲げる企業「株式会社タカミヤ」について紹介していきます!

 

株式会社タカミヤ 経営戦略本部 広報・IR室 田村様にお話を伺いました。

目次

足場の丸太の売買から始まった
株式会社タカミヤのあゆみ

STOCKPOINT(以下SP):株式会社タカミヤ様のあゆみを教えてください。

 

株式会社タカミヤ 経営戦略本部 広報・IR室 田村様(以下田村様):株式会社タカミヤは、足場をはじめとする仮設機材のプラットフォーマーとして、建設業界のソリューションを支えています。技術革新を通じて付加価値の高い製品やサービスを生み出し、建設業界の安全や施工性の提供から建設工事にまつわるサービスをワンストップで提供できるようになりました。はじまりは1969年に建設足場に使う丸太の売買です。不要になった丸太足場は返却されても切り刻まれていて二度と使えないことがあり、資源の有効活用を考えた結果、レンタルやリースという概念がなかった時代に事業転換しました。

 

当時は千里ニュータウンや大阪万博の建設で建設業界が注目され、順調に売り上げが伸びていました。1970年代に鋼管を溶接して作った建枠をメインに、脚注ジョイント・ジャッキ型ベース金具・床付き布枠・筋交い・鋼製布板を組み合わせて作る鉄製の足場が海外から輸入され、大手ゼネコンの採用をきっかけに株式会社新関西(現・株式会社タカミヤ)においても鉄製の足場を採用しました。

 

その後「安全」「環境」「施工性」を追求した環境事業への参入で事業を拡大し、2005年 ジャスダック、2007年 東証二部に上場します。2010年にメーカーのホリー株式会社を買収し、自社で足場の開発・製造を始め、従来の足場規格を様々な面から見直した次世代足場「Iqシステム」が誕生後、2014年 東証一部に上場しました。

 

足場を取り扱う企業が珍しいなか、企業価値・業界価値の向上、安全を追求するパートナーとしての信頼を得るため、当時 足場レンタル業界で唯一上場していました。

 

コア事業である足場を起点に、2014年からアグリ事業(農業)に参入しています。仮設機材の製品開発で培った金属加工技術を活用し、耐候性に優れた農業用ハウスが好評をいただいています。

 

2019年エスアールジータカミヤ株式会社から株式会社タカミヤへ社名変更いたしました。以前の社名にある「エスアールジー」は「スーパー・レンタル・グループ」の略です。

 

SP:今までになかった「レンタルサービス」の発想について教えてください。

 

 田村様:当社の強みは、常識にとらわれない点です。1969年当時は、モノを所有することに価値があると考えられていました。大阪万博の建設時に多くの建設機材が必要でしたが、建設が終わると必要がなくなることから、工事用具は所有するより、借りて返せる方が便利であると考え、必要なものを必要な分だけ提供するレンタル業を始めました。

業界の慣習を打ち破ることに成功した
次世代足場「Iqシステム」

SP:職人の方に大人気「Iqシステム」について教えてください。

 

田村様:50年近く変わらなかった足場の規格から20センチ高さを上げ、トラックや仮置き場に積む際スペースが最大半分で収まるよう設計しています。強度は変えず軽量化し、従来の足場が10段必要な高さにIqシステムは9段で到達できます。

 

最初は従来の足場の板にあった隙間をなくしました。物の落下や隙間に足が挟まった事による事故は減りましたが、別の原因による事故がなくならない状況から、足場の改良による現場の環境改善を目指しました。同業のレンタル会社に声を掛けましたが賛同が得られなかったため、自社でメーカーを買収し開発・製造することにしました。

 

足場が使われるようになった1960年〜1970年代の日本人男性の平均身長は約160センチでしたが、今は170センチを超え、安全靴やヘルメットを装備すると約+7センチです。従来の170センチの枠では屈んだ状態での作業になり危険が伴いました。規格の変更には業界の常識を打ち破る必要があり苦労をしましたが、利益より現場で働く全ての方の安心・安全のための改革です。

 

足場で使用される鉄は壊れなければ半永久的に使用することができ、減価償却は8年です。1970年代から流行した減価償却済みである鉄の足場は貸せば貸すだけ儲かるため、業界には新しく何かをする考え方がありませんでしたが、現在はレンタル会社が増え競争が激化しています。

 

当社は約1600種類の足場をご用意し、特殊な現場もサポートできる体制があるためご指名いただくことが多いです。

建設業界に革新をもたらしていく
「Takamiya Platform」

SP:新ビジネスモデル「Takamiya Platformタカミヤプラットフォーム」について教えてください。

 

田村様:業界に先駆けて、従来足場から次世代足場を採用すると評判になり、同業他社も真似し始めました。従来の足場はどの足場を借りても、高さが170センチの同じ規格でしたが、次世代足場、当社の場合は190センチ、B社は180センチ、C社はまた別の規格というように、バラバラで互換性がなく、導入には一つ一つ確認をする時間と手間が掛かります。このような建設業界の無駄をすべてなくして、仮設業界のソリューションを一気にまかなう方法はないかと考えたのが、「Takamiya Platformタカミヤプラットフォーム」です。

 

次世代足場を購入して弊社に預け入れると、全国の29か所の機材拠点からであればどこからでも引き出せるサービスもございます。

 

例えば、東京で仕事をし、次に福島で仕事をするとき、福島の近くの当社機材拠点から足場をATMのように引き出すことができます。また、購入した足場を顧客同士で売買出来るシステムがあるので、足場が不要になったら、弊社のシステムを利用して売却することができます。当社で次世代足場を購入しプラットフォームに預ければ、品質管理や、整備も弊社で行いますので、いつでも安全性を担保できます。簡易積算ツールや、精度の高い3Dモデルの作成、AIによる資材のカウント、現場までの運搬、施工、機材の返却とすべてワンストップで出来る点が強みです。スムーズにビジネスが動くようにサポートすることで、スピード感のある施工が可能です。

 

建設業界は、FAXと電話を多用するため慢性的に忙しく、人手不足が課題です。工事以外にも膨大な事務作業があり、工事の工程の修正や変更が毎日のようにあります。そのたびに煩雑な作業が発生し、アナログの対応が現状です。これらの課題はTakamiya Platformタカミヤプラットフォームを利用しDXで解決して頂きたいと考えています。これからも足場ビジネス分野の先駆者として社会問題に取り組みます。

 

SP:Takamiya Platformタカミヤプラットフォームを利用するための条件はありますか?

 

田村様:Takamiya Platformタカミヤプラットフォームの入り口は多数ご用意しています。その中で一番わかりやすいのが、「OPERA」です。現在はウェブオーダー受注システムの「OPERA」ですが、2024年度には「OPERA」がすべてのサービスのポータルになる予定です。OPERAを入り口としてプラットフォームのサービスを各種利用できるように調整をすすめています。

 

「OPERA」に随時サービスが追加し、Takamiya Platformタカミヤプラットフォームにアクセスできるようになります。

 

一例としてWEB受注サービスがございます。既存の注文方法から「OPERA」を利用したWEB受注サービスに置き換えると1人1日あたり1.5時間の時間短縮が見込めます。2023年9月現在で全受注の約20パーセントが「OPERA」のシステムを通じて行われ徐々に拡大している最中です。

Takamiya Platformタカミヤプラットフォームという建設業界のソリューションが大枠にあり、「OPERA」は入口のイメージです。

 

SP:「開発/製造」・「販売」・「レンタル」・「設計/施工」・「管理/物流」の5つの事業を中心としたフロー型ビジネスをされてきましたが、今後追加予定の機能はありますか?

 

田村様:AIやIoTを活用した実証試験や、映像・重量データなどの分析など、さまざまなデータの見える化の機能を搭載予定です。

 

また、2024年の展望として、Takamiya Platformタカミヤプラットフォームを提供するサービスや製品の研究開発拠点「Takamiya Lab. West」が夏にグランドオープンします。物流拠点、機材拠点としての役割も兼ねつつ、実験用のAIカメラやラボがあり、自動化を図るための研究を行います。

 

例えば資材をお預かりするサービスでは蓄積したデータの見える化により生産性の高い入出庫や効率的な整備を導き出す開発に取り組んでいます。

 

今後物流業界はさらに効率化が必要になります。当社では食材と、料理人が調理している様子が全て見えるオープンキッチンのように、全ての「情報」をオープンにすることを意識しています。全てのサービスを可視化し、よりお客様に信頼いただけるように努めています。

タカミヤの社是「愛」に込めた想い

SP:御社の素敵な社是に込められている想いを教えてください。

 

田村様:当社の社是「愛」は「己を愛する・人を愛する・会社を愛する」の想いがこめられています。

 

「人を愛する」が先に来そうですが、自分が幸せではないと相手を思いやることはできないし、会社を成長させていこうとも思えないという観点から、当社は福利厚生が充実していて、特に子供手当が手厚いです。

 

2021年の厚生労働省の発表した日本全国の出生率は1.30ですが、2020年の当社の出生率は1.81と大きく上回っています。諸条件はありますが、31歳未満でお子さん1人につき毎月お給料とは別に5万円支給されます。2人だと10万円。3人だと15万円といったように支給されます。20代のうちに3人お子さんを扶養していた方がいて、給料とは別に15万円貰っていました。34歳を過ぎると子供手当はなくなりますが、それ以降は自分の実力で昇進し昇給してほしい思いが込められています。厚生労働省の就労条件総合調査によると他社企業平均の約17,782円でもありがたいと思いますが、当社はそこを1人につき5万円としています。

 

また、当社はリフレッシュ休暇も大変充実しています。まず結婚に関してですが、結婚手当金があります。諸条件はありますが、例えば結婚して社内の人を結婚式に呼ぶと50万円支給されます。またバースディ休暇もあり、毎年誕生日にもらえます。25、35、45、55歳で5日間の連休が付与され、ゼロが付くと特別で、30歳は1週間。40歳は2週間。50歳は3週間の休みをもらえます。社員から休みがあってもお金がなかったらどこにも行けないと言われたことがあったため、30歳で10万円、40歳で20万円、50歳で30万円の旅行orトラベラーズ手当が出るようになりました。働くときは働いて、休む時は休む。メリハリをつけて業務にあたってもらいたいという思いが込められています。これらの福利厚生について個人投資家説明会でお話させていただいた際に、孫を就職させたいと仰っていただいた人気の取り組みです。実際は休んでいない人もいるのでは?と聞かれることもありますが実際に活用されています。社内のイントラネットには、リフレッシュ休暇する社員の顔を毎日掲載し、遠慮なく休めるようにしています。誕生日までに周りとコミュケーションを取ったり、必要なことを誰かに託したりなど、日ごろから準備し、滞りなく休めるように自走して考えて行動してほしい、という思いを込めています。

 

社是の愛にはそこまで含まれています。

 

時代の変化に対応して、自分で選択できるフレックス制を一部導入している部署や、時代に沿ってリモートワークしている部署もあり、時代に沿った働き方が選択できます。

個人株主様に向けて

SP:個人株主向けの施策はありますか?

 

田村様:足場は少しわかりにくさがあるので、代わりにお伝えしているのが「アグリ事業」です。足場の加工技術を活かして参入しました。ハウスを作り、きゅうり、いちご、ミニトマトを栽培し、「タカミヤの愛菜」として販売をしています。愛菜(あいさい)という名前の誕生については、社是の「愛」を必ずいれたいという現場からの熱い声から命名されました。通販だけではなく、地域の地元スーパーで朝採れ野菜として販売をしています。

個人株主を増やすための直接的な施策としては、メディアとの接触回数を増やすため自社で撮影した動画を利用し、タカミヤの雰囲気がわかるSNS等を通じて情報発信を強化しています。取材を受けた今期大幅増益&PERの低い企業ですので、成長株として定点観測にいれていただくと面白いかもしれません。


SP:
個人株主様に向けてメッセージをお願いします。


田村様:
己が変わり、人が変わり、会社が変わる。足場のない未来へ、自走する集団へ。現在のモノづくりの先にあるソリューション企業へ。変化を恐れず、変化を楽しむ。どんな時代が来ても新たな価値が人から生まれます。次の50年に向けて、一人ひとりが挑戦して自走して、新たな付加価値を提供できればと思っています。

レンタル業からメーカーになり、メーカーからDXを活用した建設テック企業になり、足場のIT企業へ変革しようとしていますので、これからも応援をお願いいたします。

 

足場のレンタル企業から建設テック企業へと進化してきた株式会社タカミヤ。これからの活躍にも期待しています!

ライター:Ogama Yuka

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