時が経ってから思い出す、宮川君の素敵だったところ
クリスマスの日に届いたケーキが、箱の中で崩れていたという話が話題になっている。
ネットで注文し楽しみにしていたのに、グシャっとなったケーキを受け取った方は、さぞかし落胆されたでしょう。
もし自分がそうだったとしたら、怒りというよりは残念感で、しばし呆然とするだろうなあ。
なぜかこのニュースを聞きながら、突然、大学の物理の実験実習のことを思い出した。
実習は2人1組で、学籍番号順に決まる。
私の旧姓は「み」で始まる苗字だったので、組んだ相手は同じ「み」ではじまる宮川君。
実験が国宝級に下手な私が言える立場ではないが、地味でまじめな宮川君も特別に実験がうまいわけではなく、最速チームがとっくに実験を終えて楽しそうに茶店へはけている中で、制限時間ギリギリにやっと実験を終えているようなコンビだった。
そんなある時、確か、ガラス細工の実習だったと思う。
思いのほか我々は作業が早く終わり、そんな嬉しさもあって、実習室内の他のチームと無駄話でふざけて盛り上がっていた時、
ガチャン!
と、うっかり手が滑って、我々チームの提出予定のガラス細工を壊してしまった。わたしが・・・・
ヤバッ!
その時、淡々と自分の身の回りの片付けを終えて帰ろうとしていた宮川君が、
「いいよ、また作れば」
とサラッと言ってくれた。
この時、さすがの私も、
「宮川君、良い人じゃん!」
とじわっと心が熱くなった記憶がある。
宮川君に対しては、この時を頂点としてその後特段盛り上がりはなく、実験パートナーの関係で終了したけれども、あの宮川君は今、どこでどうしているんだろう?
崩れたケーキが届いてしまったお宅では、その時は「ありゃありゃ」と思ったのでしょうが、時が過ぎて、それが笑って話せるような思い出になるといいですよね。
今年も皆様のところで、いろいろな出来事があったかと思います。
そんな出来事、良いことはもちろん、ちょっと残念なことも含めて時が過ぎても思い返した時に、人生を彩る思い出のひとつになっていれば、ですね!
来年も皆さんにとって良い年でありますように!