
先日、2025年1月の東京都区部の消費者物価指数(CPI)が発表されました。
一部の品目が物価全体を押し上げるやや歪な状態になっており、これが続くと、日本経済にとっても日本株にとってもかなりマイナスになりそうなので、そのあたりについて書いてみます。
ポイントは、
「値上りしているのは一部の品目のみ。それ以外の多くは値上りのピークを越えている状況。
とは言え、一部の品目が原因だとしてもそれらが物価全体の数字を押し上げている以上、日銀は利上げに動かざるを得ない」という点です。
物価上昇に対する日銀の対応は、いずれにしろ株価にはマイナスかも…
先日発表された東京都区部のCPIは、総合、コア、コアコアの順に、それぞれ(前年比)3.4%、2.5%、1.9%でした。
総合が3%を大きく超えたのは日銀にとってかなり大きなサプライズ。
それが結果として、日銀が急に利上げに舵を切った原因ではないか、と思います。
この「想定を超える物価上昇」の原因は「お米、野菜などの値上り」です。
いずれも政府の政策や長い間の商習慣などによって市場原理が機能しづらい分野の品目です。
仮に、それらの品目の値上りが続く場合、今後の日銀の利上げ判断は非常に難しくなりそうです。
今後の日銀の利上げタイミングなど、厳しい判断が求められます。
① 物価上昇を抑えるために、再び利上げを急ぐ必要がある。しかし、日本経済は強くないので、次の利上げが早くに行われた場合、大きなダメージになってしまう
- この場合、デフレに逆戻りするリスクがある。
② 一方、日本経済に配慮して利上げをしなければ、上記の品目の値上りは続き、国民生活に大きなダメージとなってしまう
- この場合、大きな政治マターになるかもしれません。
をうまくバランスとらないといけないというところ。
もちろん、「お米、野菜などの値上りが続けば」という前提条件付きなのですが、①と②のいずれのケースでも日本経済・日本株にはマイナス 但し、②の場合、短期的(半年~1年くらい)には“日本株”にプラスになりそうですが。
もう一歩踏み込んで書くと、これは「日本の中に、古いシステムで動いている経済主体が残っている」という問題です。そして、そうした主体が(3年続いた物価上昇を経て)「我々も値段を上げるべきだ!」という意志決定をしたということではないかと
- その場合、値上げはとても”スティッキー(粘着性が強い)”になりそうなので、この物価上昇がしばらく継続する可能性があります。
物価上昇推移をあらためて見てみる
ご参考までに、コロナ後の物価上昇の推移をグラフ化しています。
まず、東京都区部のCPI(総合)の前年比上昇率です。

統計局:消費物価指数より当社作成
コアコア(生鮮食品とエネルギーを除いたCPI)の上昇率も見てみると、昨年7月を底に再上昇しています。
これは主に「お米」の値上りが原因です。
次に、「2020年=100」として、そこからの「値上り率(@2025年1月)」のグラフです。

統計局:消費物価指数より当社作成
ポイントは、「品目によって、値上り率にかなり大きな差がある」点です(当然ですが)。
物価全体(=CPI総合)が10.2%の上昇なのに対して、生鮮食品や野菜、果物などは50%前後の上昇となっています。値上りが目立ったように感じていた乳卵類や電気代ですが、上昇率はそれぞれ19.8%、25.2%となっています。
一方、穀類が36.8%の上昇率ですが、これは「お米」が原因です
- お米だけだと72.8%の上昇になっています。
実はこれらの項目別に値上がり推移を過去から見てみると、多くの品目で値上りのピークはすでに越えている中、一部の品目(お米・野菜など)だけが値上り再加速となっている状況です。(一部の品目だけ値上りしているという状況)というわけで、ここで利上げが前倒しされると、経済全体に大きなネガティブ・インパクトになるのではないかと危惧しています。
日銀の金融政策とその影響を大きく左右するポイントですし、日本経済にも大きなインパクトがある話なので、今後私たちも日銀の動きからは目を離せませんね。
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3件のフィードバック
記事内容の冒頭に「2024年1月の・・」とありますが、あっていますか?
発表されたのは、今年度2025年のCPIですよね?
ご指摘ありがとうございます。大変失礼致しました。こちら2025年でございます。
お米不足は、国内生産を政府が減反政策で農家を、苦しめて、海外米を増やしたから。まして円安により、米輸入が減少したから。食料受給率を上げること。農協を潰して米流通を簡素にすること。大臣や、官僚を首にする。阿保な議員や平民の気持ちを理解してない官僚は首にする。トランプのように大胆な改革が必要。