7月27・28日に日銀の金融政策決定会合があり、そこで「金融政策が、引き締めに変更されるだろう」と多くの投資家が予想しています。なので、直近の株式市場は「やや売られる」展開が続いていました。そのため、為替も徐々に円高に振れていました。
7月12日(火)に発表された「米国の消費者物価指数」は予想を下回る水準になり、「アメリカのインフレは峠を越えた」という空気になっています。そして、為替は一段と「円高・ドル安」に振れています。
円高・ドル安が進んだことで、「日銀の金融引き締めの度合いは、それほど強くないのではないか?」という楽観的な雰囲気もあります。そうなると、日本株には大きなプラスになります。
いずれにしても、7月27・28日の金融政策決定会合までは大きくは動きづらい展開になるため、日経平均は「上がったり、下がったり」を繰り返す感じになるのではないかと予想します
「日銀が金融政策を引き締めに変更しても、日本経済はしっかり成長していけるのか?」が本当の問題です。
もし、そうであれば、株価は上昇します。そうでなければ(=金利が上がると景気が腰折れするので)、株価はじりじりと下落していくと思います。
日本経済にとって本格的なヤマ場は、金融政策決定会合の「後」になると思われます。
消費者物価指数の高止まりが続いているので、7月の金融政策決定会合(7月27・28日)では「日銀が金融政策を修正するのではないか?」という予想が強まっています。
金融政策が「引き締め」に転換されると株価にとってはマイナスなので、多くの投資家が「今は、様子見」の状態になっている感じです。日々の売買代金も、先々週は4兆円台後半だったのですが、今週は3兆円台半ばまで小さくなっています。
なかなか「上」には行かない感じです。
7月6日時点で、まだ41社が発表したところですが、「増収増益」や「今期の業績を上方修正」が多く見られ、(今のところ)なかなか好調といった印象です。
また、2023年度の企業の設備投資計画は合計で103兆円と見積られているのですが、それは1991年の102.7兆円以来の高水準になるようです。この大きな設備投資は日本経済を前進させ、個々の企業業績にプラスに働くことになります。
金曜日(6/30)の朝に発表された東京都区部の消費者物価指数(6月)が生鮮食品とエネルギーを除くベースで(前年比)3.8%の上昇でした。事前の予想が+4.0%だったので、少し弱い数値です。また、前月(5月)が3.9%だったので、少しですが低下しています。
「日本のインフレは、日銀の想定よりも高いのでは?」という懸念があり、それが金融引き締め観測になっていたのですが、これで「案外、日銀が予想するように、秋口からインフレは2%を下回るのでは!」という方向に多くの投資家の考えがシフトするきっかけになるかもしれません。
7月に入ると「4-6月期」の四半期決算が続々発表されます。7月3日の週だけで、少なくとも75社が発表予定です。
ここでの決算状況が相場の方向性に大きく影響すると思います。
多くの投資家は「日本企業の業績は急回復している」と思っているので、それが確認されるのか(ならば、上)、そうではないということが発覚するのか(ならば、下)、非常に重要な時期になります。
そこそこ強い経済指標が続いているので、よい企業業績が発表されるのではないかと予想していますが、どうなるでしょうか?
・ひとつは「日銀が、インフレに後れを取っているのでは?」という懸念
・金曜日(6/23)の朝に発表された全国の消費者物価指数(5月)の中で「生鮮食品とエネルギーを除く(コアコア)」数値が前年比で4.3%の上昇でした。ちょっと高い。多分、日銀の想定よりも高いと思います
・ なので、「日銀は、より積極的に金融引き締めに舵を切るのでは?」という見方が広がり、株式市場には大きなマイナスになりそうです(株式には、インフレがあるのに金融引き締めがされない状態が良いわけです)
・6月末にかけて株式で運用する年金基金がリバランスをしたり、日本株のETFが配当支払いのために売りを出したりします。そのため、地合いは軟調になりそうです。
・リバランスの場合には、これまでに大きく上げてきた銘柄が売られやすいので、半導体など大型株が売られる可能性が高く、(その寄与度が大きい)日経平均には特にネガティブになります
・東京都区部の消費者物価指数は、「全国」よりも3週間早く発表されます
・その数字が「過度なインフレなし」といった数字であれば、来週金曜日の株価は大きくジャンプする可能性がありそうです
・ 6月14日(木)の夕方、岸田総理が「衆議院解散はしない!」と明言
・ その日の後場、強かった日経平均が先物主導で急落したので、変だなぁ~と思っていたら、これだったのかな? という印象です
・ 衆院解散があれば「上」。なければ「下」とみんな考えていたので、そういった動きになっています
・候補になるのは、①自社株買いなどの株主還元策、②インフレあたりでしょうか?
・東証が「PBR1倍割れ」に対して注意喚起したことで、上場企業の株主還元策が積極化しています。自社株買いや増配に対する市場の反応は良好で、相場をけん引する力になっています
・一方、気になるのがインフレ。コアコアで4%台のインフレが続いていますが、日銀の金融政策は「据え置き」になると予想されています
・短期的には、「インフレ下の株高」が継続すると思いますが、中期的(秋口くらい)には、ちょっと心配です。日銀の想定(=秋口には2%を下回る)よりもインフレ率が高い場合、日銀はあわてて金利を引き上げることになり、それは株価に大きなダメージになります。中期的には、インフレと日銀の舵取りがカギになりそうです
・日経平均が33,500円だと、PERは15.3倍。そろそろ上限に近づいているのではないかという印象です
・短期間で急騰してきた日経平均なので、PERの水準を確認するのも大切です
・以下は、日経平均とPERの比較です。割高・割安の目安にしてみてください
28,398円 13倍
30,583円 14倍
32,767円 15倍
34,952円 16倍
37,136円 17倍
39,321円 18倍
当面は16倍35,000円のあたりが節目になるのでは・・・と予測します
<来週の日経平均はいかに・・・>