【コラム】安全を守るお仕事してくれている方すべてに、感謝!
東京渋谷の山手線が、連休中2日間、運転が止まった。
渋谷の駅の大改造の一環だ。
この大工事での線路の移動作業を、約4000人の作業員で、えいしょえいしょと、
「人力で移動させた」
ということ。
山手線の片側は運行していたので、重機は入れられずに人力でやる方法しかなかったから、というのだが、それに向けてリハーサルを行い、予定通り3日目には開通させるという段取りは綿密に計画され実行された。
前にJRの役員を務められた大学の大先輩に話を聞いたことがあるが、
「JRで働く人は、とにかくずっと生涯、JRが会社としてちゃんと面倒を見る、という体制と文化が徹底している」
と聞いたことがある。
IT業界では、終身雇用とかないに等しい世界だが、JRのようにインフラをしっかり支える会社は、そこで働く人を会社が必ず面倒見てくれるからこそ、安心してその仕事を全うしようと思い、人が集まってくるのだと思う。
これはこれで見習うべき、働く人と会社の理想的な姿だ。
コンピュータとかが得意なところはどんどんコンピュータに任せていけばいいけれども、
火事場の馬鹿力を発揮できるのは人間だけ。
想定外の出来事が起こった時に、正しく判断できるのも人間だけ。
機械でできることの限界と、最後は「人」の力と知恵は偉大だ、という事はいつも意識しておかなくてはならない。
話題は変わるが、
NYでは、ホームから人が落ちて負傷あるいは死亡するような事故が年間100件以上あるらしい。
ホームにも、「転落に気を付けましょう」という注意書きはあるものの、日本ほどホームの安全装置に積極的ではないという。確かに、ホーム転落は利用者が自分の身を守るための自己責任の世界だとは思う。
ただ、人と会社の関係も含めて、日本はやはり「人」にやさしい良い国だと思う。(今のところは・・と付け加えておこう)
日本は先進国の中で、労働生産性が極めて低い、と言われている。(関連記事はこちら)
けれども、単純に効率だけでは測れない、もっと大切なものが、日本にはあると思う。
そんな日本らしさを大切にしていきたい。