未来が見えると、幸せになれるのか?(2023年11月24日配信)

未来が見えると、幸せになれるのか?

先日、東大の先端科学技術研究センターの星野歩子教授の講演を聞く機会があった。

講演の題目は、
 「人体のSNS#エクソソーム」
エクソソームとは、体の中のあらゆる細胞が分泌しているカプセル状の物質。

その中には、臓器同士が会話をする様々な「メッセージ物質」が詰まっていて、細胞間のやりとり、すなわちSNS的な役割を果たしているそうだ。

このエクソソームの中で、がん細胞由来のエクソソームというのがある。がんが転移する場合に、ある臓器の原発のがんが、いきなり別の臓器に移動してその臓器で増殖して転移するのではなくて、まず、最初の原発がん細胞から、別の細胞へ向けてエクソソームが分泌され、それを受け取った細胞側でがん細胞を受けとるための「耕し」が行われて、「耕された」結果の細胞にがん細胞が運ばれてそこでがんが発症して転移する、という仕組みなのだそうだ。逆に、エクソソームで事前に耕されていない細胞には、がん細胞が入っても増殖しないのだそうだ。

また、興味深いのは、がんの転移には臓器特異性がある、という。

例えば、目のがん(メラノーマ)は、近くにある脳に転移しやすそうだが、実は肝臓に転移することが多い、とか、骨肉腫の場合は肺に転移することが多いとか。これも、最初の原発がん細胞からだされるエクソソームが、「転移してどこの臓器を耕すべきか」というメッセージを持っていて、それを持って体内を移動するから、だそうだ。

なにかが起こる時、それは、いきなり突発的に起こることは少ない。

その前に、それが起こる前兆とか、予知できるなにかが起こっているものだ。
がんの転移も、それを担うのが、がん細胞由来のエクソソームというわけだ。

今、二人に一人はがんになる時代だ。がんと言っても、早期発見で完治することも多いので、昔ほど恐ろしい病気でもなくなっている。逆に、だれでもなんらかのがんにかかる時代だ、とも言える。

未来の転移先へ、がん細胞よりも早く到達して、がん細胞が定着しやすいようにあらかじめ細胞を耕しておく、がん細胞由来のエクソソーム。これをもっと詳しく分析し検出できるようになれば、未来の体に起こることが予測できるようになる。

果たして、未来が見えるようになった時に、人間は今より幸せになるのだろうか。
未来は見えた方がいい? 見えない方がいい?
さて、あなたはどちら???

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