セブン&アイ HD(3382)は、今は買いなのか?
まずは、セブン&アイの中間決算と、下方修正された通期の業績予想を見てみましょう。
グラフの通り対前年比で、売上げは若干の増加なのですが、利益が大幅なマイナスになっています。
減益の主因は「米国のコンビニ事業」です。
米国のコンビニは主に低所得層の方々が利用する業態となっており、コロナ禍の給付金がなくなったことやインフレの影響などで、減収・減益となっています。
この傾向はしばらく続くと思いますので、業績の回復はすぐには見込みにくいと思います。
ご存じの通り、セブン&アイはクシュタール社から買収提案を受けています。
この買収提案、現在は約7兆円ですので、株価に換算すると約2,700円。
10/11(金)の終値は2,292円ですので、この買収提案額だと、
「18%のアップサイド」
になります。
「セブン&アイの株式は 今は買いなのか?」
答えは「なかなかオススメ!!」
その理由は、以下の2点。
① セブン&アイの経営陣としては「買収されたくない!」となります。なので、「株価を上げる戦略・施策」を打ち出してきます。 それが、セブンイレブンへの集中や、イトーヨーカ堂の切り離しなど。
仮に、それによって株価が上がれば、「投資は成功!」となります。
② 反対に、株価が上がらない場合(=経営陣の戦略がダメということ)、経営陣はクシュタールの買収を受け入れる方向に動かざるを得ません。
よって、一株2,700円での買収となります。
どちらのケースでも「アップサイドを享受できる」となる可能性が高くなります。
3つの想定されるリスク
念のために、想定されるリスクは、
① さらに業績が悪化し、株価が大きく下落したような場合、クシュタールが買収価格を引き下げるケース、あるいは、買収そのものを中止するケースがありうる。
② 国などが関与し、買収を阻止するケース。
これらの場合には、株価は通常のPER 20倍くらいまで下げる可能性あり、そうなると株価は
1,255円(現状よりも▲45%の水準!)あたりまで下げる可能性あり。
また、上記以外の選択肢として、
③ ホワイトナイトが現れ、クシュタールに対抗して買収提案をする可能性もあり。
ですが、この場合には「クシュタールよりも高い株価」を提示すると思いますので、株価はポジティブに反応すると思います。
いずれにしろ、セブン&アイの業績が厳しくなればなるほど、クシュタールに有利になる構図で、反対に、業績が回復すれば、株価は上がっていきます!
つまり、投資妙味があるケース、のように映ります。
皆さん、今後の展開、どう見ていきますか?
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